住まいにも人にも大切な「調湿」。
最近は、ありとあらゆる内装材に、この言葉が使われている!
といっても過言ではないぐらいです。
というわけで、
今回は、調湿を考えた内装材の選び方についてお話します。
調湿と透湿の違い
が、その前に!
「調湿」と「透湿」の違いについて話しておきます。
というのも、
どちらにも「湿」という字が使われているので、
内装材を選ぶ際、勘違いしやすいからです。
もちろん、調湿であっても透湿であっても、湿気対策にはなります。
ただ、
- 調湿は、部屋の湿度によって湿気を吸ったり吐いたりするもの
- 透湿は、湿気を通すもの
なのです!!
って、いくらビックリマークを付けたところで、
「だから?」
と思いますよね?
なので、イラストにしてみました。
![透湿と調湿の違い](https://v-daiku.com/wp-content/uploads/2021/02/IMG_0316.jpg)
透湿君は、下地材頼み。調湿君は自分も頑張ります。
調湿と透湿を上手に使い分けよう!
調湿と透湿の違いがわかっていると、
家にかけるコストも、それなりに抑えられるかもしれません。
なぜなら、調湿を考えつつも、選ぶ内装材の範囲は広がるからです。
たとえば。
古い家のリフォームをするとしましょう。
古い家なのだから、壁の中は、間違いなく「土壁」のはずです。
でも、嬉しいことに「土壁」は、調湿素材です。
だから、仕上げに選ぶ素材は、「調湿」でも「透湿」でもどちらでも構わないんですね。
実例をお見せしましょう。
ここは、「元・押入れ」だった壁です。
元・押入れだったため、土壁がむき出しでした。
そこで。
ここに、薄い合板を張り、上から「ガイナ」という塗料を塗りました。
つまり。
ガイナには調湿機能はありません。
でも。
ガイナには透湿機能があるため、ガイナの奥にある、合板と土壁が調湿を行ってくれるというわけです。
このガイナと土壁の関係は、透湿クロスとその下地材の石膏ボードとも同じです。
調湿を考えた内装材の選び方
確かに、今は、非常に性能の高い「調湿建材」も存在しています。
ただ、調湿機能の数値なんてものは、車の燃費と同じで、
環境や住まい方によって、必ず上下します。
それに、性能の高い建材は、当然、お値段もお高いわけで、
性能が良くても、結果的に(コスト的に)使えないのであれば、
意味はありません。
それよりも、現実的なのは、
一部の高機能な調湿建材にこだわらず、
- 全体で考える
- 適材適所で考える
という発想です。
天井も壁も床も
正直なところ、
湿気なんてものは、どこにどう潜んでいくのか?
私たちにはわかりません。
だからこそ。
安価でもいいんです。
天井も壁も床も、全部「調湿」できる素材にすることです。
これが、一番、手っ取り早いし、効果的だと感じます。
適材適所で
ただし、全体の調湿を優先するのは、あくまでも、リビングや寝室に関してです。
リビングは、なんといっても、家族が長く過ごす場所ですし、
寝室は、人間の寝息によって、驚くほど結露が生じる場所だからです。
一方、水回りは、水やお湯を使うので、
確かに湿度は高いのですが、
頻繁に家族が使う場所でもあり、汚れ具合も、リビングや寝室の比ではありません。
もちろん、水滴が直接飛ばない天井や壁に関しては、
できれば、調湿を考えたいところですが、
汚れ防止を最優先に考えた方が良いかもしれません。
そのあたりは、メリットデメリットを天秤にかけてみると良いでしょう。
まとめ
今回は、調湿を考えた内装材の選び方というテーマで書いてみました。
が、
いくら調湿作用のある内装材を上手に使ったところで、
すべてが、解決するわけではありません。
ただ、
内装材を選ぶ時、こういう視点もあるのだ。
ということさえ、知っておいてもらえたら・・・と思います。
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