住まいにも人にも大切な「調湿」。
最近は、ありとあらゆる内装材に、この言葉が使われている!
といっても過言ではないぐらいです。
というわけで、
今回は、調湿を考えた内装材の選び方についてお話します。
調湿と透湿の違い
が、その前に!
「調湿」と「透湿」の違いについて話しておきます。
というのも、
どちらにも「湿」という字が使われているので、
内装材を選ぶ際、勘違いしやすいからです。
もちろん、調湿であっても透湿であっても、湿気対策にはなります。
ただ、
- 調湿は、部屋の湿度によって湿気を吸ったり吐いたりするもの
- 透湿は、湿気を通すもの
なのです!!
って、いくらビックリマークを付けたところで、
「だから?」
と思いますよね?
なので、イラストにしてみました。
調湿と透湿を上手に使い分けよう!
調湿と透湿の違いがわかっていると、
家にかけるコストも、それなりに抑えられるかもしれません。
なぜなら、調湿を考えつつも、選ぶ内装材の範囲は広がるからです。
たとえば。
古い家のリフォームをするとしましょう。
古い家なのだから、壁の中は、間違いなく「土壁」のはずです。
でも、嬉しいことに「土壁」は、調湿素材です。
だから、仕上げに選ぶ素材は、「調湿」でも「透湿」でもどちらでも構わないんですね。
実例をお見せしましょう。
ここは、「元・押入れ」だった壁です。
元・押入れだったため、土壁がむき出しでした。
そこで。
ここに、薄い合板を張り、上から「ガイナ」という塗料を塗りました。
つまり。
ガイナには調湿機能はありません。
でも。
ガイナには透湿機能があるため、ガイナの奥にある、合板と土壁が調湿を行ってくれるというわけです。
このガイナと土壁の関係は、透湿クロスとその下地材の石膏ボードとも同じです。
調湿を考えた内装材の選び方
確かに、今は、非常に性能の高い「調湿建材」も存在しています。
ただ、調湿機能の数値なんてものは、車の燃費と同じで、
環境や住まい方によって、必ず上下します。
それに、性能の高い建材は、当然、お値段もお高いわけで、
性能が良くても、結果的に(コスト的に)使えないのであれば、
意味はありません。
それよりも、現実的なのは、
一部の高機能な調湿建材にこだわらず、
- 全体で考える
- 適材適所で考える
という発想です。
天井も壁も床も
正直なところ、
湿気なんてものは、どこにどう潜んでいくのか?
私たちにはわかりません。
だからこそ。
安価でもいいんです。
天井も壁も床も、全部「調湿」できる素材にすることです。
これが、一番、手っ取り早いし、効果的だと感じます。
適材適所で
ただし、全体の調湿を優先するのは、あくまでも、リビングや寝室に関してです。
リビングは、なんといっても、家族が長く過ごす場所ですし、
寝室は、人間の寝息によって、驚くほど結露が生じる場所だからです。
一方、水回りは、水やお湯を使うので、
確かに湿度は高いのですが、
頻繁に家族が使う場所でもあり、汚れ具合も、リビングや寝室の比ではありません。
もちろん、水滴が直接飛ばない天井や壁に関しては、
できれば、調湿を考えたいところですが、
汚れ防止を最優先に考えた方が良いかもしれません。
そのあたりは、メリットデメリットを天秤にかけてみると良いでしょう。
まとめ
今回は、調湿を考えた内装材の選び方というテーマで書いてみました。
が、
いくら調湿作用のある内装材を上手に使ったところで、
すべてが、解決するわけではありません。
ただ、
内装材を選ぶ時、こういう視点もあるのだ。
ということさえ、知っておいてもらえたら・・・と思います。
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