高齢化社会の日本には介護保険という制度があり、
介護に伴う住宅のリフォームにもこの保険を使うことができます。
その対象となる改修は、
- 手すりの取り付け
- 段差の解消
- 引き戸への取り換え
- 洋式トイレへの変更
などで、これらに対し介護保険で工事費の9割(最高20万円まで)を負担してくれます。
ただし対象となるのは、ご家族が要支援・要介護の認定を受けた世帯のみです。
介護保険リフォームの申請は事前に!
介護保険を使った住宅のリフォームの手順は、
- 住んでいる自治体の要介護認定・要支援認定を受ける
- ケアマネージャーに相談
- 施工業者と相談
- 市区町村に申請
- 市区町村からの返事を待って、施工
- 施工業者に支払い
- 市区町村に書類を提出
- 市区町村から介護保険の支給がある
ざっとこんな感じになります。
中でも4番と7番に提出する書類は、
- ケアマネージャーの「工事が必要な理由書」
- 工事前後の写真や図面・見積書・領収書など
です。
文字で見ただけでも、めんどくさそう・・・ですが、
正直、面倒です。(笑)
だからこそ、ある程度の準備期間が必要になる!
ということは、理解しておきましょう。
介護保険リフォームの注意点
介護保険リフォームでは、ケアマネージャーさんが大きな役割を果たします。
とは言え、
ケアマネージャーさんは、あくまでもサポート役。
一番、大事なのは、「どう?暮らしたいか?」という、ご本人やご家族の意思です。
だから、ケアマネージャーさんは、真摯にいろいろ聞き取りをされます。
が。
ある時、同席させてもらって、思ったんです。
ケアマネージャーさんは、介護のことはよくご存じです。
でも、家のことに関しては、やっぱり素人だな・・・と。
それは、ケアマネージャーさんが、LDKに置き型の手すりを薦めていた時のことです。
その置き型手すりが、とにかく、でかかったんです。
- LDKには、段差もある。
- 広さも十分ではない。
- そんな場所で、かえって、危険じゃないの?
- ご家族すら、置き型手すりにつまづくんじゃないの?
そう思ったんです。
そりゃ、確かに、LDKには、手すりをつける場所がありませんでした。
でも。
腰までの壁を作ったら、いけるんじゃない?
そう話したことがありました。
すると、ケアマネージャーさんは、こうおっしゃいました。
「そんなことまで、やったら大変です」と。
介護保険リフォームの目的は?
どうも、ケアマネージャーさんは、
壁を作る=高額
そんなイメージだったようです。
でも、腰までの小さな壁を作るぐらい、
お茶の子さいさいで、費用も大したことありません。
もちろん、壁を作ることが、介護保険リフォームの対象になるか?と言えば、
そこは微妙です。
※手すりをつけるのはOKです。
でも。
お互いの思い込みで、
「これしかないから、仕方ない!これを使おう」
という発想は、本来の要介護、要支援の考え方からも外れていきます。
プロの意見は交換して発酵させる
介護保険リフォームは、初めてのことでもあり、
正直、あせってしまうかもしれません。
でも、
ケアマネージャーさんと、施工業者の話を同時に聞くことで、
よりよい介護、よりよい支援が可能になるのは間違いありません。
ですから、ぜひ、あなた自身が、上手なつなぎ役になってください。
やることは難しくありません。
ケアマネージャーさんが来る日と、施工業者が来る日を一緒にして、
信頼できるプロの多様な意見を聞いてみるだけです。
それぞれの立場からの、いろんな意見は必ず、あなたの役に立ちます。
まとめ
介護保険を使ったリフォームは、支給される費用ばかりに目が奪われがちですが、
大事なのは、要介護、要支援になったご家族が、よりよく暮らせる方法を探ることの方です。
介護保険の住宅リフォームは、
家を住みやすいようにして、要支援者、要介護者の安全を図ることが目的です。
だから、必要以上の改修工事は自己負担となります。
また、介護のためのリフォームは、
要支援者・要介護者はもちろんのこと、一緒に住むご家族のことも考える必要があります。
たとえば、
手すりを付けることばかりに気を取られ、
家族が頻繁に行き来していた場所が手すりでふさがれてしまう!
なんてことは、あってはなりません。
そうならないためにも、
ご家族、ケアマネージャー、施工業者とよく話し合うことが大切です。
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