廊下はデッドスペースである。
という考え方にうなづく人は多いようです。
そのせいでしょうね。廊下のない間取りも、最近は多くなってきています。
確かに、廊下がなければ、その分、部屋は広くなりますよね?
でも、部屋が広いってことは、そんなに良いことなのでしょうか?
部屋が広いとどうなる?
実際、部屋が広いと、光熱費は余分にかかります。
部屋を暖めるにしても、涼しくするにしても、
部屋は狭ければ狭いほど、いいわけですから。
もちろん、今の家は断熱効果が抜群なので、
多少、部屋が広くても大丈夫・・・かもしれません。
でも、その断熱効果を抜群にするために、別のコストがかかります。
さらに。
どんなふうに家具を配置しましょうか?
部屋が広いので、どんなふうでも家具は置けそうですが、実際は違います。
部屋が広いということは、間仕切りがない分だけ、壁の面積は少ないということです。
もちろん、大きな部屋には、立派な家具も必要です。
そして、大きな部屋を綺麗に維持するためには、
整理整頓と掃除は欠かせません。
あ、そうでした。
掃除は、ロボットが自動でやってくれます。
でも、整理整頓は、どれだけ家族をきっかりとしつけるか?が鍵になります。
あと、広い部屋を効率よく使うためには、動線計画は必須です。
無駄を省きつつ、効率よく家事をこなさなきゃなりませんから。
でも。
そんなに効率ばっかり求めるなんて、家って、そんな仕事場みたいな場所でしたっけ?
部屋を狭くしてみたら?
誰もが、部屋を広くすることばかり考えているので、
一度、部屋を狭く細切れにしてみたらどうか?と考えてみました。
そこで、
- 子供部屋は、6畳×2人分
- 親の寝室は、10畳、
- リビングは、18畳、
なんて固定観念は捨てることにしました。
まずは、部屋の定義をもっとストレートにします。
- 寝室=ベッドが置けるだけの部屋=寝るだけの部屋
- 服の部屋=洋服類を収納する部屋
- 本の部屋=本を収納する部屋
- 勉強の部屋=大きな机1つと椅子が4つある部屋
- 家族部屋=大きなテーブルと椅子が4つある部屋
こんな感じです。
すると、どうでしょう?
部屋の目的が明確になったので、どんな部屋にしたいか?
すごくイメージしやすくなりました。
- たとえば。それぞれの部屋には、必要な家具さえ置ければよい。
- たとえば。収納するジャンルが決まっているので、収納棚も作りやすく、整理もしやすい。
- たとえば。部屋が目的別になっているため、家族間のルールもライフスタイルもシンプルになる。
あれ?
これ、意外にいいかも・・・。
廊下は必須アイテム
ただし、このような細切れの小さな部屋を作るとなると、
必須になってくるのが、廊下です。
お風呂と脱衣室のように、部屋から部屋へと移動した方が便利な場所もありますが、
ホテルや旅館のように、部屋数が多い時には、やっぱり廊下はないとね。
で、いっそのこと。
こんな感じはどうか?と考えてみました。
廊下が家の中央です。(笑)
でも、ここまで徹底したおかげで、あることに気づいちゃいました。
廊下は、動線スペースである
そもそも、何故?私たちは広い部屋に憧れるんでしょうか?
それは、
- 人が体を動かすスペースの確保。
- 家具を置く場所の確保。
- 収納スペースの確保。
- 人が歩き回るスペースの確保。
- 部屋から部屋へと移動するスペースの確保。
これら全部をいっしょくたにして考えてしまっているからです。
もう一度、上記の図を見てください。
廊下が一本あれば、4番と5番は、もう必要ありません。
さらに、部屋を小さく目的別に分ければ、壁面が格段に増え、
作り付けの収納棚が、相当量の収納を引き受けてくれます。
それにより、たくさんの家具を置く必要もなくなります。
これで2番と3番もかなり減らせます。
実際、
この間取りの方が、床面積はかなり減らせることに気づきました。
しかも、この減った床面積を使えば、
子供と遊べるプレイルーム、筋トレできる筋トレルームなんかもできそうですよね?
まとめ
廊下はデッドスペースだ。
それは、ごくごく当たり前のイメージであり、感情です。
でも。
同じように、広い部屋の中にだって、デッドスペースはいくらでもあるんです。
それらを、全部、取り出して、一つにまとめてみたら?
意外にも、廊下のスペースよりも広かった・・・なんてことも多いはずです。
大事なのは、イメージや感情に引っ張られて思い込まないことです。
そして、ハウスメーカーや工務店の言うことも鵜呑みにしないことです。
プロはプロであるがゆえに、いろんな常識や思い込みに縛られていますから。
そうすれば、あなたの家づくりは、今よりももっと良いものになっていくはずです。
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