子育て世代をターゲットにしている工務店は多いので、
新築や建売などは、どうしても二階建ての家が主流になります。
というのも、二階には、どうしても子供部屋を配置しなきゃ!
という強迫観念があるからです。
二階は負担になる
もちろん、子供部屋のためだけに二階は存在しているわけではなく、
たとえば、家族の共有スペースを作ってみたり、
ご夫婦の寝室を作ってみたりと、
いろいろと工夫は凝らします。
ただ、ある程度、年を重ねていくとわかるのですが、
二階があるということは、いろんな意味で負担が増えるのです。
まず、自分が年老いていった時、
階段の上り下りをするのは、自分の体に負担がかかります。
次に、どんな家でもメンテナンスは必須ですから、
その時に、二階があると足場を立てなくてはならなくなります。
なので、足場の分+二階の外壁等の面積分が費用にプラスされ、負担が増えます。
あと、二階があると、どうしてもトイレや洗面台を二階にもつけたくなりますので、
その分も、プラスの費用がかかります。
二階は家が傷みやすい?
また、二階建ての場合、家の高さは平屋の倍になります。
したがって、外壁なども傷みやすくなります。
なぜって?
試しに、土砂降りの日に、傘の高さを変えながら、じっと立ってみてください。
傘を高く持てば持つだけ、あなたの体は濡れる面積が増えるはずです。
実際、今は、二階だけにしか屋根がない。
そういう家も増えています。
でも、雨が多い日本では、外壁に負担がかかってしまいます。
もちろん、外壁が傷む原因は、雨だけではありません。
夏の暑い日差しなんかも、厄介ですね。
それから、雨樋なんかも、樋の距離が長くなりますので、
それだけ、傷む可能性は高くなる・・・と言えます。
二階へ行く階段さえなければ・・・
さらに。
当たり前のことですが、二階があれば、階段は必須です。
じゃないと、二階、使えませんからね。
でも、この階段。
古い家のリノベーションだけでなく、
新築においても、
かなり、面倒な存在なんです。
正直、階段さえなければ・・・
間取りはもっと自由になんとでもできるのに・・・
工務店は、みんな、そう思ってます。(多分)

リノベーションでなんとか階段の位置を変更。左に見える柱は、以前は床柱でした
それでも、子供部屋は必要じゃん?
「それでも、子供部屋はやっぱり必要だ!」
子供が小さい間は、そう考える方は多いでしょう。
でも。
そうやって、子供部屋を二階に作った人たちの多くが、
「頑張って、大きな家を建てたのに、子供が住んでいたのは、たった5、6年だけ。なんだったんだ?と後になって思う。結局、今は物置になってるだけだし、掃除するのも億劫で・・・」
なんて愚痴をこぼされるのです。
そうならないためには、
- 子供部屋=二階という常識に振り回されない
- 子供部屋を他の部屋で代用できないか?考えてみる
- 子供が出て行った後の計画もきちんと立てておく
ということが、大事かもしれません。
まとめ
家のローンは、通常30年です。
20代や30代で家を建てても、ずっと若いわけではありません。
誰もが皆、平等に年を取るのです。
そして、そうなった時、すご~く実感するはずです。
横の移動は、さほどでもないのに、二階への上り下りが、どれほど大変か!
しかも、階段の掃除が嫌い!という女性は多いと思います。
どんなに軽いといわれる掃除機であっても、
やっぱり、階段を掃除するときは、重く感じます。
実際、お掃除ロボットも階段だけは役に立ちませんしね。
さらに、
二階は家のメンテナンスにも影響がある。
二階の子供部屋は、あっという間に不要になる。
なんてことが現実にあるのであれば、
二階を作らないで、なんとか工夫できないか?
という発想があっても良いのではないでしょうか?
都会の場合は、土地が狭くて家を上に伸ばすしか仕方がないかもしれませんが、
田舎や地方都市に住むのであれば、なんとかできるかもしれませんよ。
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