日本家屋に昔からある障子は、雰囲気はいいのですが、紙が破れてしまうとみすぼらしくなるし、貼り替えは面倒くさいし、意外にストレスです。
我が家にもネコはいるわ、私自身はおっちょこちょいだわで、結構、障子紙をビリッツとやってしまうことも多いので、よくわかります。
だからこそ、障子紙の代わりに布を貼れば決して破れない!
そう思いたくなる気持ちはよ~くわかります。
が、障子に布を貼れば、すべて解決するわけではありません。
実は、障子に布を貼ることにより、
- 障子の良さを奪ったり、
- 障子そのものを壊してしまったりする可能性もありますので、
後からしまった!と思うことがないよう、障子に布を貼るデメリットもぜひ、知っておいてください。
もし、どうしても、障子に布を貼りたいのであれば、そうしたデメリットが起きにくい方法もお話ししますので、ぜひ、じっくり読んでいってくださいね。
障子紙の代わりに布を貼るデメリット
障子紙に代わりに布を貼るデメリットは、3つあります。
- 障子本来の機能を奪うかもしれない
- 障子を壊してしまう可能性がある
- 布は何度も貼りなおせない
一つずつ、詳しくみていきましょう。
障子本来の機能を奪ってしまうかも
そもそも、障子というのは、直射日光を遮り、やわらかな光りを室内に取り込んでくれる建具です。
が、それが可能になるのは、障子紙が貼られているからこそです。
実際、障子紙の光の透過率は40%~50%程度といわれており、
これを布に変えてしまった場合、
使う布の織り方や厚み、色などによって、部屋が暗くなってしまうことも考えられます。
障子を壊してしまう可能性がある
気になるのが、障子に布を貼る方法です。
実際に、障子に布を貼った方のサイトを見てみると、
- 両面テープで貼る
- タッカーで貼る
このどちらかのようです。
両面テープで貼るデメリット
まず、両面テープで貼る場合についてです。
日本には四季があって、冬は寒いし、夏は暑いです。
その時、両面テープにどんなことが起きるか?考えてみましょう。
まず、冬です。
冬の場合は、部屋が冷え込んだり、暖房器具で温まったりしますので、
両面テープが、はがれてしまうことがよくあります。
つまり、せっかく貼った障子の布がペラリとめくれている。
これでは、正直、見た目が良いとは言えません。
こういうことが、どのぐらいの頻度で起きるのか?
どれぐらいの日数?月数?年数?で起きるのか?は環境によります。
さらに、夏の場合。
気になるのは、
両面テープの糊がベトベトと障子の桟についてしまわないか?
という点です。
障子紙の糊ならば、水で綺麗に落とせます。
でも、両面テープの糊は、絶対ベトベトになりますよね?
たとえば、
- そのベトベトが、布にシミを作る。
- 次に貼り替えしたい時に、そのベトベトをはがすのが超!大変。
ということは、十分に推測できます。
タッカーで貼るデメリット
では、両面テープではなく、タッカーで貼ったらどうでしょうか?
これは、さらに危険ではないか?と思います。
というのも、タッカーというのは、ホチキスの一種なので、
針を打ち込むためには、ある程度の圧をかけなくてはなりません。
この圧によって、障子の桟が折れてしまうかもしれません。
たとえ、その時は折れなくても、障子の桟は、もろいものです。
実際、普通に使っていても、折れたり割れたりしますので、
タッカーの針がきっかけで、桟にヒビが入る可能性は十分にあります。
なお、ヒビが入ったら、桟を糸でクルクル巻いて補修するのですが、
この補修方法は非常に独特で、そこに障子の繊細さを私は感じます。
布は何度も貼りなおせない
障子紙を貼り替える理由は、紙が破れてしまったからだけではありません。
確かに、布なら破れることはないでしょう。
ですが、汚れるのは、紙も布も同じです。
とするならば、紙であっても、布であっても、貼り替え時期はやってきます。
たとえば、障子紙の場合は、
- 水洗いしたり、
- 霧吹きをかけ、紙をめくったあとに濡れ雑巾で拭けば、
綺麗に古い障子紙を糊も綺麗に取ることができます。
一方、布の場合には、
- 両面テープをはがすのに水だけでは無理かも
- タッカーの針を外すのに、ペンチ等の道具が必要かも
という状況になるはずです。
この時、無理な力をかければ、前述のとおり障子の桟を傷めますので、
布を貼り替えることは、現実的には難しいのではないか?と感じます。
もちろん、頑張ればできないことはありませんが、障子紙以上に手間がかかるのではないでしょうか?
デメリットなしに障子に布を貼る方法
上記のようなデメリットがあっても、どうしても障子に気に入った布を貼りたい!場合には、
唯一、この方法なら大丈夫かも・・・と思う方法をお話ししておきます。
その方法とは、両面テープを使います。
ただし、布を貼るための両面テープは、障子紙を桟に残した状態で、貼ってください。
障子紙や糊を全部、きれいにはがしてしまわず、桟の周りの障子紙だけを切り取り、
桟の上の障子紙は残すのです。
これならば、もし、布をはがしたい!と思った時、桟に残った障子紙を水で濡らせば、両面テープも一緒にはがれる・・・のではないでしょうか?
ただし、私自身やったことはないので、責任は持てません。
これはこれで、何らかの問題が出てくる可能性はあります。
また、この方法は最初の1回だけしか使えません。
障子に布を貼るのは?のまとめ
障子紙の代わりに布を貼るのは、障子紙のように破れることはありませんが、
- 障子本来の機能を奪うかもしれない
- 障子を壊してしまうかもしれない
- 布は何度も貼り替えできない
というデメリットがあります。
どうしても、障子紙の代わりに布を貼りたい場合には、
障子紙を桟に残した状態で両面テープを貼るぐらいしか手はありません。
また、この方法であっても、問題が出てくる可能性はありますので、判断はご自身でお願い致します。
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