リフォームで間取り変更をする場合の考え方についてお話しします。
ただ、リフォーム会社は玉石混交で、プランの立て方、工事の仕方もいろいろなので、
- 使い勝手を向上させつつ
- 費用を抑えること
ここにポイントを絞りたいと思います。
使い勝手を向上させるには?
使い勝手を向上させるというのは、要するに、今、不満に思っていることを解消すれば良いだけです。
安易に「理想の間取り」にこだわらず、
- 何が不満なのか?
- どうすれば、その不満は解消できそうなのか?
きちんと順を追って考えるようにします。
費用を抑えるには?
できるだけリフォームの費用を抑えるためには、今の不満を解消するにしても、できるだけ間取りに無理をさせないように考えます。
間取りに無理をさせないというのは、
- 主要構造材はできるだけ触らない
- 解体する部分は極力小さくする
ことです。
テレビのビフォーアフターのように、すべてを豪快に取っ払って行うスケルトンリフォームであれば、どんなふうでも自由自在にプランを立てることは可能になります。
ですが、自由であればあるだけ、費用もかかりますし、そこからデメリット(不満)が生まれる可能性もあります。
人生100年時代と言われる今。
私たちのライフスタイルは、常に変化していきます。
だからこそ、bestではなく、betterを求める。
それぐらいの「ゆるさ」が、ちょうど良いのではないか?と思うのです。
制限を楽しむ
ただし
- 主要構造材はできるだけ触らない
- 解体する部分は極力小さくする
のであれば、かなりの「制限」が生まれます。
こうした「制限」があるからこそ、アイディアは生まれるのだと私は思っているのですが、気を付けたい点が一つあります。
それは、ネット上にあふれる「いいな~と思えるリフォーム」のイメージに引っ張られないことです。
なぜなら、ライフスタイルはもちろん、家の状況は、本当に千差万別だからです。
ですから、一つのイメージに凝り固まってしまうと、
- 内容は満足だけど予算オーバー
- 予算に合わせたおかげで不満足
という結果になるやもしれません。
リフォームの間取り変更 失敗例
そこで、代表的な失敗例と成功例を2つご紹介しましょう。
最初は、失敗例です。

Aさんのご主人は、写真のような対面のキッチンカウンターをイメージされていました。
ですが、リフォームするのは、6畳のDKのみです。
当然、「6畳ではスペース的に無理ですね。」という話をしました。
ところが、ご主人は、聞き入れません。
- 隣の部屋を使いませんか?
- 少し部屋を広げませんか?
- キッチンのスタイルを変えませんか?
などなど、いろんな提案をしてみましたが、
- 「とにかくリフォームするのはDKのみ」
- 「絶対に写真のようにしてくれ!」
- 「キッチンもカウンターも完全オーダーすれば、できるはずだ!」
- 「いいから、やってくれ!」
の一点張り。
この間、奥様はご主人の言うことに一切口を出せず、黙ったままでリフォームは完了しました。
リフォーム前、もともとのキッチン自体の長さは2m50ありました。
それがリフォーム後には、キッチン自体の長さは1m90に。
つまり、単純に計算しても60cm分の作業スペースが無くなってしまったんです。
もちろん、ご主人に不満はありませんでした。
が、実際に毎日、ご飯を作るのはご主人ではなく奥様です。
作業スペースがなくなってしまったキッチンで、毎日料理する奥様は、かなりの不便を強いられることとなりました。
リフォームの間取り変更 成功例
一方、Bさんもキッチンのリフォームを考えていました。
Bさんの場合は、何が不便で、何が足りないのか?非常に明確でした。
だからこそ、こんなリフォームができました。
キッチン横に作り付けのように見える棚がありますが、実はこれ、増築です。市販の収納棚やレンジなどに合わせて、小さく増築しています。

この時は、キッチンのこまごましたものが、全部、スッキリ収納できて、かなりご満足のようでした。
ところが、1年ぐらいしたら、
「目隠し代わりに置いていた冷蔵庫も、スッキリ一緒に並べたくなった!」
らしく、再びリフォーム。

今度は、冷蔵庫の幅分だけ増築しました。
本来、増築は、基礎を作って、屋根を作って・・・、といろんな工事が必要になるので、費用が割高になるものですが、
- 出幅が少ない
- 加重も大したことない
ということで、大きな出窓を作るぐらいの感覚で増築できました。
リフォームの間取り変更の考え方のまとめ
今回は、実例を交え、リフォームの間取り変更の考え方をお話ししました。
リフォームの間取り変更で何より大事なのは、
- 何が不満なのか?
- どうすれば解消できるのか?
ここを考え抜くことです。
確かに、モデルルームや本などを見ていると、リフォームに、漠然としたイメージや夢を持つことはあるでしょう。
でも、それをそのまま自分の家に持ってこようとすれば、どこかに、無理が生じる可能性は大です。
それは、
- 家の構造に!かもしれないし、
- 家計に!かもしれないし、
- あるいは、自分たちの家族の関係性に!まで及ぶかもしれません。
ですから、ぜひ、
- 大掛かりな工事なしに、どこまでのことができるのか?
- どこまで費用をかけたら、一番、費用対効果が高いのか?
ということを、リフォーム会社と一緒に考えていただきたいと思います。
ちなみに、費用を抑えるということは、安ければ何でもいい、ということではありません。
大事なのは、かける費用と、自分たちが享受するメリットとのバランスだということをお忘れなく。
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